こんにちは。ゆきねこです。
今回からシリーズ記事にも取り組んでいきます。
シリーズ記事「シネマ備忘録」について
「シネマ備忘録」では、映画好きの私が最近見た映画に感想を好き勝手綴っていくただの映画感想文をお届けします。
ただの感想文なので、本職の評論家のような本質的な感想は書けないのでご了承くださいな。
作品は洋画・邦画・実写・アニメ・新作・旧作問わずに上げていきたいと思います。
今回は新作映画紹介
「ドクターストレンジ マルチバースオブマッドネス」です。
基本的に面白い映画ならジャンル問わずに何でも観る私ですが、
何を隠そう大のMarvel映画好きなのです。
シリーズファンなら必見の作品です。
あらすじ
まずは今作のあらすじについてです
以下、公式HPよりの引用です。
元天才外科医にして、上から目線の最強の魔術師ドクター・ストレンジ。時間と空間を変幻自在に操る彼の魔術の中でも、最も危険とされる禁断の呪文によって“マルチバース”と呼ばれる謎に満ちた狂気の扉が開かれた──。何もかもが変わりつつある世界を元に戻すため、ストレンジはかつてアベンジャーズを脅かすほど強大な力を見せたスカーレット・ウィッチことワンダに助けを求める。しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類、そして全宇宙に迫っていた。さらに驚くべきことに、その宇宙最大の脅威はドクター・ストレンジと全く同じ姿をしていて…。
https://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange2/about.html
今作はベネディクト・カンバーバッチ主演の「ドクターストレンジ」シリーズ第2弾となります。
2016年公開の「ドクターストレンジ」から6年ぶりの新作となります。
シリーズとしては2作品目なのですが、ドクターストレンジは「アベンジャーズインフィニティウォー/エンドゲーム」や、最近では「スパイダーマンノーウェイホーム」などにも出演しており、彼の物語は実は色んな作品で紡がれていました。
物語の繋がり的にはMCU作品としての前作に当たる「スパイダーマンノーウェイホーム」の続編と言えるかもしれません。
タイトルからわかるように、「スパイダーマンノーウェイホーム」で垣間見えたマルチバースに関する更なる深堀が今作のメインテーマとなっています。
注目ポイント
今作の私的注目ポイントは、
- ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)の登場
- 新キャラ アメリカ・チャベスの活躍
- 複数のサプライズ
の3つです。
1.ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)の登場
今作ではエリザベス・オルセン演じるワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)が本格登場します。
カメオとかじゃなくてメインキャストです。
ワンダと言えば現在ディズニープラスで配信中のドラマ「ワンダビジョン」での活躍が記憶に新しいです。
(観てる人どのくらいいるのかな?)
今作は時系列的には「ワンダビジョン」後の物語になるため、ある意味「ワンダビジョン」の続編とも言える作品となっています。
「ワンダビジョン」めちゃくちゃ面白いんで観てない人は劇場行く前に観てみましょう。
2.新キャラ アメリカ・チャベスの活躍
今作で初登場となるのがアメリカ・チャベス
演じているのはソーチー・ゴメスという15歳の若手女優さんです。
彼女は公式の設定では「マルチバースを自由に行き来できる」能力を持っているようで、
今作のテーマにぴったりフィットしたキャラクターとなります。
最近のMCU(特にフェーズ4以降)の作品は若手新キャラの登場が多いです。
そして、今のところ全員大好きです。
なので、アメリカ・チャベスの活躍には期待したいところ。
3.複数のサプライズ
今作はどうやらサプライズがMCU映画の中でもかなり多い作品らしいです。
メディアによっては「アベンジャーズ/エンドゲーム」並みだと報じているところもあるくらい。
確かに今作の前情報はほとんど出ていません。
予告を観ても正直何が起こるのか、全く予測できません。
何なら今作のメインヴィランが誰になるのかもわからない始末。
調べたところによるとかなりの数のカメオ出演者がいるとかいないとか。
果たしてエンドゲーム越えなるのか?
非常に楽しみです。
次からは鑑賞後の感想となりますが、ネタバレ全開なので注意してください。
感想(ネタバレあり!)
まずは…率直な感想
とっても面白かったです!
ここ数年観た映画の中でもかなり上位に入ります。
通常の映画としては映画としては文句なしの傑作です。
通常の映画としては。
ただし、MCU映画としてはどうなのかなと思うところがいくつかありました。
私自身は一応MCU作品は映画もドラマもすべて追っているのですが、
私と同じくらいのファンの方だったら思うところがあったのではないでしょうか?
それでは良かった点と気になった点に分けて語っていきます。
良かった点① スピーディ&練られたストーリー展開
最近のMCU作品は3時間近い超長編映画が当たり前になっているのですが、
そんな中で今作は2時間ちょっとでサクッと観られる映画となっています。
ただ、事前情報からどう考えても回収することが多くて中途半端な映画になるのではと懸念していました。
しかし、さすがは巨匠サム・ライミ監督
2時間程度の短時間にしっかり収まっていました。
しかもストーリー展開も良くできていました。
今作はあくまで「ドクターストレンジ」の単独作品になるのですが、
ある意味で「ワンダ・マキシモフ」の物語でもあり、「アメリカ・チャベス」の物語でもありました。
3人の物語が上手く交差して最後には感動のフィナーレを迎えていました。
しかも、どの物語も決して薄くなっていないのが素晴らしかったです。
更にMCUのお決まりである今後への展開を予想させる要素もたくさんありました。
- ストレンジの第3の目開眼
- シャーリーズ・セロン演じる新キャラの登場(おそらくクレア)
- マルチバースの性質について
- X-MENやファンタスティック4キャラの存在を示唆
とにかく2時間本当に楽しかった!
良かった点② アメリカ・チャベス
そして今作で初登場したソーチー・ゴメス演じるアメリカ・チャベスがとにかく魅力的でした。
齢15歳とは思えない迫真の演技力に圧巻されました。
そしてめちゃくちゃ可愛かった!
今後MCUでは否が応でもマルチバースに関して深堀されていくでしょうから、
彼女はまたどこかの作品で再登場してくれるでしょう。
良かった点③ 随所で見られるホラーギャグ要素
今作の監督は巨匠サム・ライミ
私も大好きなトビー・マグワイヤ版「スパイダーマン」シリーズの監督であり、
「死霊のはらわた」シリーズをはじめとするホラー映画の監督としてもとてつもないキャリアの持ち主です。
今作は「スパイダーマンシリーズのサム・ライミ」というよりは「ホラー映画監督としてのサム・ライミ」という色が強かったように思います。
もちろんホラー映画テイストの怖いシーンも魅力的でしたが、
ホラーならではの笑えるシーン(ホラーギャグ)も多かったのが好印象でした。
個人的にはIt シリーズのペニーワイズのダンスシーンなんかもある意味ホラーギャグと思ってます。
怖いのになんか笑えるという意味で。
追いかけてくるワンダを異様に怖く見せたり、
クリスティーンが「地獄に落ちろ」と言いながら悪霊を退治したり
そして不覚にも笑ってしまったのが、イルミナティがワンダ1人に皆殺しにされるシーン
その前のシーンで「ワンダなんて敵じゃない」的な盛大な死亡フラグを立ててからの全滅
ホラー映画ではよく見るシーンなのですが、正直MCU映画でやると思わなかった。
違う土俵でやると立派な「ギャグ」なんですよね。
さすがに笑ってしまいました。
ただ、イルミナティの扱いに関しては否定的な意見の方が多いと思います。
ただ、今回全滅したのはあくまでも別世界のイルミナティ
そのため、今作で壊滅してもどうせまた再登場するのではと個人的には考えています。
なので、今作でのギャグ要員としての扱いも別にいいんではないでしょうか?
面白かったし。
気になった点① ワンダの扱い
今作のヴィランは映画公開までよくわからない状態でした。
強いて言うならばワンダがやたら悪役っぽく映されていたため、もしかしたらワンダ?と思いつつ
実はミスリードなのでは?と深読みしてみたり
そしてふたを開けてみたらメインヴィラン=ワンダ(スカーレット・ウィッチ)でした…
しかも一貫してワンダの悪の部分しか描かれていない始末
前作の「ワンダヴィジョン」や「アベンジャーズインフィニティ―ウォー/エンドゲーム」での悲劇を知っているからこそ、今作ではワンダに救いが欲しかった。
せめて「ワンダを裏で操ってる奴が居ました」的な展開にしてほしかった…
しかも最後のシーンでは、別世界の息子2人に怖がられ、自分を犠牲にして瓦礫に埋もれるというあまりにも辛すぎる結末。
特に息子たちのシーンではあまりに観ているのが辛すぎて「やめてあげて…」と叫びながら一人で泣いていました。
中盤ワンダにストレンジ達が追われるシーンでは、まるでワンダがホラー映画のクリーチャーの如く描かれており何だか悲しくなりました。
マーベルスタジオはどうしてワンダにすべての業を背負わせるのか?
今までも悲劇的でしたが、今作はさすがに度を超えていたと思います。
あまりにも可哀そう
1人で別世界のイルミナティを壊滅させるほどの力の持ち主ですから、生き埋めになった程度では死んでいないと思います。
再登場に期待です。
気になった点② 他シリーズを見ることが前提になっていないか?
その節は確かにあると思います。
特に「シビルウォー キャプテンアメリカ」あたりから顕著になった
私個人としては、MCUは「全てが連なって一つの映画になっている」という認識です。
だからこそ他シリーズ視聴が前提になっていても問題ないのでは?と思っています。
「アベンジャーズエンドゲーム」も関連作品を観ていないと物語的に付いていけない部分も多かったのにもかかわらず、全世界的にとてつもない興行収入を上げていた実績もありますしね、
ただ、当時と少し状況が異なる点が一つ
ディズニープラスのドラマシリーズの登場です。
今まではあくまで映画さえ観ていればストーリーを追えましたが、今は映画+ドラマも観ていないと付いていけなくなってしまいました。
ファンにとってはうれしいことだと思いますが、ライト層の参入障壁は今作で爆上がりしてしまいました。
ファンとしてはやっぱり出来るだけ多くの人に観てもらいたいというのが本音です。
そこで私が考えるこのシリーズの理想的な在り方は、
1つの映画としては80点
他シリーズを観ていると総合点が加点されていく
を目指してほしいなと思います。
今作は「ワンダビジョン」の視聴が前提になっているという問題点(サービス?)もありますが、
「サム・ライミ監督の映画」としても楽しめるし、
「MCU映画」としても楽しめるギリギリのラインの作りだったのかなと思います。
ちなみに監督のサム・ライミはとあるインタビューで語っていましたが、「ワンダビジョン」はすべては鑑賞していないそうです。
作ってる人ですらすべて追えてないから、我々一般の鑑賞者も気負いすぎず気軽にシリーズを楽しんでいきたいところです。
さいごに
今作はサム・ライミ久々の監督作品としてはとっても面白い映画でしたが、
MCU映画としては引っ掛かりが多い映画だったと思います。
ただ、これは長く続けてきたシリーズ作品が避けては通れない道とも言えるのではないでしょうか?
ファンとしてはもちろん今後もシリーズは追っていきますが、
段々ファンが離れていってしまわないかと少しだけ心配です。
何はともあれ、ワンダには幸せになってほしい。
ワンダを虐めないであげて、マーベルスタジオ。
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